『資生堂インパクト 子育てを聖域にしない経営』
ちょっと前に『資生堂インパクト 子育てを聖域にしない経営』を読んだので、簡単に内容を整理します。
スマホからポチポチしているので、改行がバラバラでごめんな!はじめに謝ります!
一言で言うと、とにかく面白かったです(語彙力)
資生堂さんが一周も二周も先をいってらっしゃることが良く分かりました。
「資生堂ショック」。
Twitterの育児垢の皆さんは覚えていらっしゃるかもしれませんね。
従来、「働く女性にやさしい」と思われていた資生堂さんが、短時間勤務の美容部員に対し、遅番、土日勤務を求めた働き方改革を求めたということで、ネット上で燃えに燃えた?話です。
さて「働く女性にやさしい」の「やさしい」って何でしょうね。
結構、この「やさしい」って、曲者。
この本はそれを分解して理解するのに考えるのに適した本であると考えます。
個人的に面白かったと思うところを抜き書きしながら、感想を書いていきます。きちんとした書評ではなく、散文・コメントスタイルです。
「女性が働きやすい会社」から「女性も働きがいのある会社」への進化
⇒女性活躍推進のゴールは、女性にやさしい社会をつくることではなく、女性が能力ややる気に応じて誰からも制限されずに思い切り活躍できる社会資生堂の考える「女性活躍の3ステージ」
第1ステージ:子どもができたら多くは退職(両立困難)
第2ステージ:女性は育児をしながら仕事を継続(両立可能)
第3ステージ:男女ともにしっかりキャリアアップ1990年代 育児休業・育児時間制度を導入
2000年代 事務所内保育施設開設⇒女性活躍は第1ステージから第2ステージへ。そして資生堂は今、第3ステージ。
⇒第1ステージ→第2ステージへの移行は難しくない。労力とコストをかけて子育て支援策を整備すれば容易にステージアップ可能。
仕事と子育てが両立しやすい環境を維持しつつ、働く女性の意識をどう高めて、会社への貢献を引き出すか。
資生堂は他社よりも一足早く第3ステージへの移行を模索し始めた 。
資生堂さんが一般の会社に比べて一周も二周も先をいっていると感じたところ。
先人の有形無形の頑張りで、第2ステージにいるワーママは増えましたが、第3ステージにいる人はまだまだ。
(私は何とか第3ステージにしがみついている、という感じです)
しかし第3ステージにいくには、女性への働きかけよりも、男性への働きかけが必要なんじゃないですかね。
Twitterでもよく言っていますが、いつも「女性の意識」の問題にされますが、
多くの場合、「男性の意識」の方が問題ですからね。
パートナー・配偶者としての意識。そして上司・同僚としての意識 。
マミートラックと「パターナリズム上司」
子育て中の社員に気を遣いすぎる管理職。
積極的に子育てに関与した男性は多くなく、育児・子育ての実情を知らないため、
その負担を過大に評価して、必要以上に仕事の負担を軽減するタイ プ。
はい、これ「日本企業あるある」だと思います!!!!!本人の希望を聞かずに「良かれと思って」必要以上に仕事の負担を軽減するパターン。
育児期と成長期の重複
妊娠期も含めると20代後半~30代前半が仕事と育児の両立期。
仕事のやり方を一通り学び、脂がのってくる。
職場で責任ある仕事を任されるようになり、仕事の面白さややりがいを覚える。
いよいよ仕事上で飛躍しようというところで育児期が訪れる。
これは「女性のキャリア早回し」論とも通じる話。
育児期と成長期が重複がするからこそ、女性のキャリアはつとめて 早回しをした方が望ましい、ということ。
自分の上司のことを思い出すと、チャレンジングな仕事を若いうち に担当させたり、
つとめて早回しをさせてくれたような上司もいます。
(向こうがそれを意図してやっていたかどうかは謎ですが……)
短時間勤務者の能力開発
「子育て中の女性をマミートラックに追いやるのは簡単だ。仕事よりも私生活を優先する社員を『ぶら下がり社員』と呼び、揶揄する風潮がある。子どもを持ちながら働く女性が『ぶら下がり社員』化していると、嘆く企業の声もよく聞く。
でもそれは必ずしも本人が望んだからではなく、会社の人材育成の無策が『ぶら下がり社員』の増殖につながっていると自覚しなければならない。」
こ れ な!
人事に伝えたい……本当に人事に伝えたい……
個人の意識の問題ではないんですよ……
「なぜ妻ばかりが制度を使うのか」
関根氏(現資生堂顧問)
「各家庭の考え方もあるだろう。
でも子育ては本来夫婦が共同して担うものだと私は思う。
なぜ夫は勤務先の育児休業や短時間勤務を取ろうとしないのか。
育児は母親の役割が欠かせない部分もあるが、家事や保育園への送迎など
夫ができることもたくさんある。子育て支援制度は女性が使うものと社会全体が決めつけていないか」。
「仕事と子育ての両立問題は、本来、夫婦とそれぞれの勤務先の4者が当事者であるはずだ。
なのに日本でこの議論をするときは、妻とその勤務先の2者しか主に登場しない」
「子育て支援に熱心な企業ほど、女性が活躍しにくくなる?」
「夫の家事・育児協力が期待できない分、妻は勤務先の子育て支援をできる限り使って穴埋めしようとする。
妻が制度を使えば使うほど夫は仕事に集中しやすくなり、妻は仕事との接点がさらに薄くなる。
企業からすると、女性活躍を進めるために子育て支援策を整えるほど自社の女性の活躍が進めないというジレンマ」
みんな!!!ここ!!!ここ!!!読んで!!!
頷きすぎて首がもげそうになりましたよ……。
「なぜ妻ばかりが制度を使うのか?」
Twitterでもよくあるワーママあるあるですよね。
「女性の意識」を問うくらいなら、まずはこの辺りを解決してからにして欲しいです♡ウフフ♡
ワーママを取り巻く現状の課題が分かりやすく整理されている本です。人事の方、是非ご一読を。